キュリー夫人 ポーランドを代表する科学者です
キュリー夫人とポロニウム
1867年ワルシャワに生まれました。
当時のポーランドはウィーン会議で分割されワルシャワ公国という名はあるものの実質的にロシアに併合された状態でした。
ソルボンヌ大学で勉強を始めた彼女は、
放射能の研究をし、ラジウムとポロニウムという新元素を発見しました。
1898年のポロニウム発見時、まだ、ポーランドという国は復活していませんでした。
祖国ポーランドをロシア帝国から解放する運動に強い関心を寄せていたキュリー夫人は
発見した元素を故国ポーランドのラテン名(Polonia)にちなんで「Polonium」と名づけたものです。
彼女はその後「ノーベル物理学賞」と「ノーベル化学賞」を受賞しています。
この、キュリー夫人にちなんだ時計がジェロナグラで作られています。
生誕150年を記念して作られたとのこと。
生誕150年記念時計
それが、この時計です。
ポロニウムの元素番号84にちなんで、文字盤の「8」と「4」の数字が塗りつぶされています。
また、さらに文字盤にポロニウムの電子配列が輝石でかたどられています。
女性用の小ぶりな腕時計は84個のダイヤモンドが埋め込まれているそうです。
ポロニウムと暗殺
2006年元ロシア連邦中佐のリトビネンコ氏が暗殺されました。
その時に使われたと言われているのが、この「ポロニウム」です。
ポロニウムから出る放射線はα線のみで外部ならば紙一枚で遮ることができます。
ところが、体内に入ると、放射線量が非常に多くDNAを切断してしまうようです。
タバコ煙にも放射物質(ポロニウム)
タバコの煙にはこのポロニウムが含まれています。
フィルターを通しても3%しか除去できません。
のこり97%はフィルターをすり抜け気管支に取り込まれます。
年月を経ればPb21→ポロニウム210へどんどん変換しポロニウム濃度が高まってきます。
癌の治療に
このポロニウムのα線の飛程の短さに着目して、体内から腫瘍組織をたたく研究が進められています。
恐ろしい放射能物質も使い方次第では、有効な治療薬に活用できるということでしょうか。