オルガ・トカルチュク
オルガ・トカルチュクは1962年にポーランドの西部、ドイツ国境にほど近いルブシュ県スレフフに生まれました。
主な作品は
「昼の家、夜の家」(2010)
「逃亡派」(2014) ポーランドで最も権威のある「ニケ賞」
マン・ブッカー国際賞(ポーランド小説として初めて)
「プラヴィエクとそのほかの時代」(2019)
「迷子の魂」(2020)
以上4作品が日本語訳にて刊行されています。
また、2014年に出版された大作「ヤクプの書物」はユダヤ人宗教指導者ヤクプ・フランクとその時代を扱い、ポーランドが歴史上、抑圧の犠牲者であっただけではなく、時に他の民族を抑圧してきたことを公然と指摘している。
この本はまだ未邦訳ですが、日本語訳の刊行が期待されます。
スレフフ(sulechów)の街
ルブシュ県ジェロナ・グラ郡スレフフ。
ジェロナ・グラの北方16㎞くらいに位置する人口1.7万人ほどの小さな街です。
ジェロナ・グラから北に向かい途中のザバダ(zawada)までは市内バスがあるのですが、ザバダでバス路線は直角に東に向きを変えヤニ→プシトク→ミルスコとオーデル川の渡船場に向かってしまいます。
たぶん、ジェロナ・グラからは郊外バスが通っているのでしょう。
ザバダからまっすぐに北上するとオドラ川に架かる橋があり、蘇の橋を渡ればスレフフの街です。
ポーランドの街は小さくてもなかなかに見どころのある街が多く目的もなく散策していても楽しいのですが、この街もナポレオン戦争後の1815年からプロイセン王国のブランデンブルグ州に属していたので、ドイツの香りのする街だと思います。
そんな街でノーベル文学賞作家のオルガ・トカルチュクは生まれたのです。
その他の有名人には、ゲーテの「親和力」に登場するオティーリエのモデルとなった女性もいるそうです。
たった40分のバス旅行ならいくらでも行けたのに、当時は全く知りませんでした。
ちょうど、ジェロナ・グラに滞在していた2019年にノーベル賞をもらったのでタイミングが悪かったとも言えるでしょう。
ジェロナ・グラを訪問することがあればぜひ足を延ばしてみてください。
郊外バスの行き先表示板ですがこの中には残念ながら、スレフフ行きのバスは見つかりません