ポーランドの住宅、アパート、学校 ほとんどの窓はドイツ風の窓。
日本の引き違い窓とは違います。
さすがエコ大国、ヨーロッパ。
気密性の良いドレーキップ方式と呼ばれるものです。
開け方は3種類。
左はフルオープンです。
真ん中はしまった状態。完璧に密封し隙間風なんか入る余地もありません。
右は上側だけに隙間があります。普段、通風を得るときはこの状態です。
でも、春になるとさわやかな風を家中に入れたいのでしょう。フルオープンに開けた住宅がかなり見受けられます。
大学の教室もこの方法。
こんな風に暑い日はフルオープンに窓を開けると2m四方に近い面積を持つ開口部が出現します。この窓が教室に2枚あるので、教室の暑苦しい空気はあっという間に外気と入れ替わります。
ポーランドでは(もちろんドイツでも)普通の窓ですが、
実はこの窓、私の札幌のマンションにも付いています。
寒い札幌でこのドイツ製の気密性の良さをかって、マンションを作った会社が採用したのです。
確かに、気密性も断熱性能も良いようです。デザインも悪くはありません。
しかし、この窓がいま私のマンションで大問題。
①日本人は「きちんと収まる」べきと考えます。
取っ手を真下に回して閉め、90度回すと上が開く、更に90度回すとフルオープン。
これが、札幌のマンションの方式です。
ポーランドとは開く順序が違いますが、問題は「きちんと90度」とはならないことです。
パンフレット通りに回すと中の細かい部品が耐えきれずに変形してしまいます。
ですから、「適当に締まるところまで回し、無理をしない」
これがこの窓の使い方のようです。
この適当さが日本人には受けないのかもしれません。
②そのためか、窓を作っていた山形県の会社が、せっかくドイツの会社と提携し中国に製造工場を作ったのに、あっと言う間に工場閉鎖し事業撤退をしてしまいました。
平成14年にこの会社は新規事業として「ドレーキップの窓事業」を立ち上げ、作ったばかりの新製品の窓を使ったマンションが平成16年に完成。
平成??年にはこの事業から撤退。
平成28年に部品が壊れたので発注しようとしたら、事業から撤退しました。
だから、部品がありません、直す方法もわかりません、北海道では直せませんという回答です。
変わり身が速いことは企業にとって大切とはいえ、作って作りっぱなし。
アフターフォローを全く考慮していません。
この窓、方式はいいのですからこの素晴らしい窓を日本に広めていくという
気概を企業に持ってほしかったものです。
販売したマンションデベロッパーも
「もう10年たつのでアフターサービス期間及び住宅瑕疵担保責任期間を修了していることから、組付けの調整、メンテナンス体制の提供、部品供給保証等の対応はできません」
という回答。
もう責任がないので、自分たちで何とかしてください、ということのようです。
ポーランドでは、普通に使っている窓。
その窓でこんな問題が起きるとは驚きです。
ドイツ製品は今でもきちんと輸入されています。
さすが、安心のドイツです。