ポーランド西部、ドイツ国境の街ジェロナグラ

ジェロナグラでの日本語教師生活日記、近郊の街、おいしい食べ物 ポーランドの文化 気がついたこと徒然なるままに。

クラクフのクリスマス・マーケット

ジェロナグラからヴロツワフを通りクラクフ

2018年12月22日から23日にかけクラクフのクリスマス・マーケットを見に行きました。イェレニアグラのTさんと現地待ち合わせです。彼は、イェレニアグラからヴロツワフで乗り換えクラクフへ、私はジェロナグラからヴロツワフを通る直通列車です。

所要時間、約6時間の列車の旅。

6人掛けのコンパートメントで向かいと隣の席は大学生です。

隣の学生は分厚い本を読んでいます。表紙に「HARUKI MURAKAMI」「Menzczy・・・」「Kobieta」村上春樹の「女のいない男たち」のポーランド語版です。面白いですかと聞いたら面白いと、あなたは村上春樹が好きですかと聞き返されたので、一応好きですと答えておきました。

 

向かいの席はトルンから来た大学生。

クラクフにいる友達に冬休みを利用して遊びに行くそうです。

列車で9時間の旅、気の長い話です。

本来、彼の席が私の予約した席です。

ジェロナグラではすでに座っていたので気が付きませんでしたが、私の席の背もたれを倒そうとしたら壊れて倒れません。

いじっていたら、彼が「ほんとはそちらが、自分の席なんだけれど壊れていたんでこっちに座っている」といったので「問題ありません」と返事をしました。彼の荷物は大きなバッグに「アーチェリー」と「矢筒」。クラクフでアーチェリーで遊ぶようです。

そういえば、プロチュキ(Proczki)の民宿の息子も、車でバス停まで送ってもらった時これから遊びに行くんだと後ろの席に使い込んだアーチェリーを無造作に投げ込んでいたし、受講生の12歳の女の子はFacebookにアーチェリーの弓を弾いている姿をアップしています。

アーチェリーが盛んなお国柄なのかもしれません。

 

初めてのクラクフなのでホテルの場所を聞いたら、駅に友達が待っているので一緒に案内してくれると申し出てくれました。

雨も降ってきて、傘まで入れてもらい本当に助かりました。

地元に住んでいる彼の友達はさすがに詳しい。

駅から地下街をうまく利用し、雨に濡れない最短距離でホテルの入り口まで案内してくれました。

感謝。

 


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クラクフのクリスマスマーケット

Tさんの到着を待って、早速クラクフのクリスマスマーケットに繰り出しました。

場所は、ホテルの少し先、歩いて5分もかかりません。

マーケットは中央市場広場にあります。

さすがポーランド第2の都市、昔の王都なので広場も格が違います。

かなり広い広場ですが、地元の人や観光客でいっぱいです。

日本人、韓国人、中国人も見かけます。アジア系でも雰囲気が違います。

ヨーロッパでもイギリスのウエールズから来た人は大陸人とは明らかに違います。

 

お土産物もユーロを併記、さすが観光地。

広場の入り口には聖マリア聖堂、中央は織物会館。

広場の周りはずらっとレストラン、織物会館の一階は土産物屋が並んでいます。

観光用の白い馬車も何台も並んでいます。

市場の中央はクリスマスマーケット、いろいろな屋台が所狭しと並んでいます。

鉄板の上には長大なソーセージ、ゴロンカという豚の脛、串焼き どれもおいしそうです。

クリスマスのリーフを売っている店、鉄の加工品の店。

ここには「LUCKY HORSESHOES WITH YOUR NAME」名前入りの幸運の蹄鉄もあります。

氷点下10度くらいの寒さですが、人も多くおいしい食べ物もあり、寒さを感じません。

 

 

聖マリア教会

聖マリア教会は広場の入り口にあります。 

正面は礼拝者しか入れません。

一般の観光客は別の建物で入場券を買い脇の入り口から入ります。

入場券は10ズオティ、撮影料は別に支払います(5ズオティ)。

聖マリア教会の一番の見どころは「ヴィット・ストウオシ祭壇」世界最大級の大きさと緻密さです。

中央部分は聖母マリアの被昇天の場面、その他のいろいろな場面の説明も入場券と一緒にもらったパンフレットに書かれています。

両脇の金色に彩られた彫刻も素晴らしい。

途切れるラッパ

塔の上のほうから1時間に1回ラッパが聞こえてきます。そのラッパのメロディは突然途切れて終わります。

これは、昔モンゴルがこのクラクフまで攻めてきたとき、

危険を知らせようとしてラッパを吹き鳴らしたラッパ手が射殺された故事にちなんで続けられているしきたりです。

13世紀、遠くモンゴルの地からここまで攻めてきたモンゴルの勢いにも圧倒されます。

 KAMIKAZE

クラクフの旧市街は城壁に囲まれています。

入り口にはバルバカンと呼ばれる円形要塞で守られ、その裏側から聖フローリアン門をくぐり聖マリア教会に通ずる通りがフロリアンスカというメインストリートです。

両脇は商店、土産物店、雑貨店、レストラン等様々な店が並んでいます。

そのうちの一軒のカウンターバーに立ち寄りました。

ビールをタルタルステーキ(Tatar)をつまみに飲んでいると、隣に3,4人の若い男女のグループが座りました。

 

注文した飲み物を見たらショットグラスに上半分ブルーやレッドのカクテルの入ったグラスがカウンターの上にずらりと並んでいます。

その数10杯以上。圧巻です。

それを、一口で飲み干し、あっという間に出ていきました。メニューを見ると「KAMIMAZE」

日本の特攻隊の盃の真似でしょうか?ジェロナグラのレストランにもあったので、ポーランドの定番カクテルのようです。

 

 タルタルステーキもモンゴル(タタール人)の馬肉の生肉を食べる習慣が西洋に伝わったものです。ポーランド語でTATAR。

 

世界は思わぬところでつながっているのでしょうか。

 

ヤギェウォ大学

 旧市街の城壁の西側にヤギェウォ大学があります。

ここは1364年開港のスラブ人によって設立された最初の大学です。

 

ここの出身者は古くはコペルニクス、最近ではローマ教皇ヨハネ・パウロ2世。

日本でいえば京都大学でしょうか。

ここの日本語学科の生徒は優秀と聞いています。

 

日本語教師の会でも南部地域の束ね役はこの大学の日本語教師の方です。

 

(教師の会にも参加したかったのですが、ジェロナグラはワルシャワにもクラクフにも遠い街。

日曜日に会合があると月曜日の授業に間に合いません)

 

日本人の留学生も多いようで、たまたまワルシャワショパン空港で出国管理の列に後ろに並んでいた女子大生はこの大学に留学していると言っていました。