ポーランド西部、ドイツ国境の街ジェロナグラ

ジェロナグラでの日本語教師生活日記、近郊の街、おいしい食べ物

カティンの森 札幌にて

 

7月2日 ポ-ランドから千葉を経由しようやく、札幌に帰ってきました。

7月3日 なんと、札幌エルプラザ4F大研修室にて北海道ポーランド文化協会主催の

カティンの森」のビデオ鑑賞会が開かれました。

アンジェイ・ワイダ監督 2007年作品です。

 

彼の代表作にはこの他「地下水道」「灰とダイヤモンド」「約束の土地」「コルチャック先生」「パン・タデウシュ物語」「ワレサ 連帯の男」「残像」などがあります。

 

原作邦訳はアンジェイ・ムラルチク「カティン」の森」工藤幸雄」・久山宏一訳

集英社文庫、2009です。

 

カティンの森 (集英社文庫)

カティンの森 (集英社文庫)

 

 

数日後、紀伊国屋に本を買いに行きました。

店内のコンピューター検索には3冊、カティンの森関連の本がありましたが、目的の本は取り寄せ。

ひとまず、在庫のある2冊を見に行きました。

2階のドイツ史、中欧史の下段に同じくらいの厚さの値段も同じく3000円弱の似たような表題の本が並んでいます。中を見ると、差し込まれている写真も同じようです。

 

一冊取って、中を見た時なにか違和感を感じました。2010年代?そんなに古い出版の本ではありません。

中を読み進めて違和感の原因がわかりました。なんとこの本は「ナチス・ドイツ」犯行説に基づく本です。著者は日本人です。

 

私は、両方の説を検証してはいません。ただ、1989年以前には世界中で「ナチス・ドイツ」犯行説の本も出版されていましたが、その後事実の解明が進み、現在の国際認識は「ソ連」の犯行であると結論づけられたのだと理解していました。

 

その流れの中で、あえて最近の日本人の書いた著書で「ナチス・ドイツ」犯行説の本が出版されているとは。

 

もっと、驚いたのは、紀伊国屋のような日本を代表すると思っていた書店が、2冊しか取り揃えていない「カティンの森」関連の本の一冊が「ナチス・ドイツ」犯行説、もう一冊が「ソ連」犯行説。

2冊の本を並べるとは。

 

両論併記のつもりでしょうか?だとしてら、あまりにも無責任で節操がありません。

書店の本の取り揃えは、書店の思想、信条が反映されると思いますが、この2冊の本は何を示しているのでしょうか?

 

10冊あるうちの1冊このような本が混じることはまだ、理解できます。

しかし、2冊を並べて陳列することは、歴史に対する冒とくなのではないでしょうか?

中に差し込まれた写真に写されているの犠牲者の悲しみ、映画に描かれた残された家族の悲しみをどのように感じているのでしょうか?

 

ポーランドで「カティンの森」の事件の重さを知り、札幌であらためて映画を見て真実を明らかにすることさえ拒まれた人々の苦しみを思い、さらに、紀伊国屋で真実は訴え続けなければならないと考えさせられました。

 

 

 

 

 

カティンの森 (字幕版)

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カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺

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消えた将校たち―― カチンの森虐殺事件

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