ルブスキエ郷土博物館 ジェロナグラの中心地にあります。拷問博物館、ワイン博物館も併設。
Muzeum Ziemi Lubskiej
この博物館の館員は大学の日本語講座の受講生です。
受講歴も長く今期「げんき」の初級Ⅱを修了。
来期は中級へステップアップされる方です。
秋にお伺いしたときに、立派な執務室に案内されました。
そこには、いぜん大学で日本語講師されていた方の「一期一会」の書が飾られています。
一階は街の発展を示したジオラマが。
秋に来た時には見ても右も左もわからなかったのですが、今回は街のジオラマを見て街の様子が手に取るようにわかります。
見どころは、2階のドアを開けたところにあるピエタ像。
ポーランドのピエタ14,5世紀の木像です#ポーランド#ジェロナグラ
驚きました。なんて写実的なのでしょう。カトリックは偶像崇拝、この像もどこかの修道院か教会にあって信仰の対象になっていたものです。
でも、信仰の対象となる聖像にしては、あまりにも感情がむき出しです。
息子を失った母親の悲しみが、眉、目、口元に。
無念さ、憤りがストールを握りしめた左こぶしからつ伝わってきます。
このマリアからは、キリストの復活への望みなんて微塵も感じられません。
ただただ、息子を思い、嘆き悲しむ気持ちだけ。
半面、キリストの体は魂を失った骸そのもの、すこし開いた口もと。
胸の傷には血の色も。
まるで、戦場カメラマンの撮った写真のようです。
この像を作った人は戦場でこんな場面をいやというほど見てきたのかも知れません。
(こちらはクラクフ郊外のヤスナ・グラ修道院の「黒い聖母」ポーランド人の愛国心の象徴として敬愛されています。そこには戦火をくぐり抜けた歴史があります)
また、この博物館の地下にはワイン博物館と拷問博物館があります。
拷問博物館には中世の実際に使われていたという拷問道具が。そして、どこからか、ひっきりなしに叫び声、うめき声が聞こえてきます。
ワイン博物館は1800年代のワイン製造が盛んだったころの、道具が陳列されています。ワインの樽の銘をみるとグリュン・ベルクと。
ドイツ語で「緑の丘」の意味、ポーランド語で「ジェロナ・グラ」
そうです、ここは戦前はドイツだったのです。
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